・駆けつけ警護
離れた場所で襲われた国連職員やNGO職員らを助けに向かう任務。自らを守る武器使用を超え、任務遂行のための武器使用が可能になる。
・11/20 陸上自衛隊第9師団(青森市)が現地へ出発
部隊に付与する新任務は12月12日からとし、他国のPKO要員らとともに武装勢力から宿営地を守る「共同防護」も認める。
・実施計画
部隊派遣後もNSCで現地政府によるPKO受け入れ同意が「維持されると認められる」ことを再確認する。自衛隊を派遣するためのPKO参加5原則を満たしていても、「有意義な活動を実施することが困難な場合は、撤収する」と盛り込んだ。
・閣議決定に合わせて運用方針「新任務付与に関する考え方」を発表
駆けつけ警護は「極めて限定的な場面で、応急的かつ一時的な措置として、能力の範囲内で行う」…活動範囲は「ジュバ及びその周辺地域」に限定し、「他国の軍人を駆けつけ警護することは想定されない」「自衛隊が(警護対象者らの)近くにいて助ける能力があるにもかかわらず、何もしないというわけにはいかない」
■南スーダンPKO、新任務「駆けつけ警護」付与のポイント
【現状認識】
・派遣しているのは施設部隊で治安維持は任務ではない
【駆けつけ警護】
・近くで対応できる国連部隊がいない場面で応急的かつ一時的な措置
・リスクを伴うが、任務付与し体制を整えた方が邦人の安全に資する
・自衛隊のリスク低減に資する面もある
・他国軍人警護は想定されない
・「ジュバ及びその周辺」に限定
【宿営地の共同防護】
・襲撃された場合、他国要員と自衛隊員の共同対処は安全を高める
【その他】
・PKO参加5原則が満たされていても、活動実施が困難な場合は撤収
・紛争当事者となり得る「国家に準じる組織」は存在していない
・民進党・後藤祐一…稲田朋美防衛相に陸上自衛隊が参考資料として提出した「現地状況報告」の開示を要求→「ジュバ市内の情勢」「凡例」「評価」という報告項目以外の全ての文字が黒く塗られ、読めなくなっている
・後藤氏…黒塗り資料を示し「『のり弁』では困る」。首都ジュバの治安について「比較的落ち着いている」と説明しているのに情報を隠すのはおかしいと追求
・稲田…「開示した場合、派遣部隊の情報収集能力が推察され、任務の効果的遂行に支障が生じる。わが国の安全が害される恐れがある」
・11/15 参院TPP特別委員会で安倍首相…首都ジュバの治安情勢について「比較的落ち着いている」
・稲田防衛相…「厳しい訓練を乗り越えてきた経験を誇りに、自衛隊の国際平和協力活動のよき伝統を守りながら、創造の精神を持って、南スーダンの平和と安定のため活動するよう期待している」「これまでの活動実績を踏まえ、交代で派遣される部隊の活動地域を首都ジュバとその周辺地域に限定する。このため、『駆け付け警護』の実施もこの活動地域内におのずと限定される。さらに衛生態勢の充実を図るため、医官を1名増やすなどの措置をとる」「今後とも現地情勢を緊張感を持って注視していく。新任務は来月12日からとする防衛大臣命令を今月18日に発出するよう手続きを進めている」
・菅官房長官…「南スーダンでは、60を超える国が平和と安定のために取り組んでおり、わが国もこんにちまで自衛隊を派遣してきた。今回、駆け付け警護の任務を付与したことで、わが国のNGOなど現地で活動する方の危険が差し迫り、要請があった場合には救助できるようになるわけで、国際貢献に大きく寄与できる」
「駆け付け警護」の任務が実施される可能性について、「現時点で予断を持って申し上げることは控えたい。いずれにせよ、自衛隊として行うのは邦人保護が基本だ」
・岸田外務大臣…「『駆け付け警護』は、邦人保護の観点からも極めて重要だ。南スーダンの治安情勢は極めて厳しいと認識しているが、自衛隊が展開中の首都ジュバは比較的落ち着いており、外務省としても、現地情勢について、緊張感を持って情報収集にあたっていく」
・山口代表…「国連の関係者などにとっては、安心につながる新たな任務の付与だ。政府には、今後も現地の情勢を適切に見極めて安全を確保したうえで、意義のある活動をやってもらいたい。国民に新しい任務の全体像が正しく伝わるような議論はこれからも重要だ」
・馬場幹事長…「異論はないが、南スーダンの情勢がどうなっているのか、われわれはわからない。『駆け付け警護』の任務を付与すると決めた以上は、責任は政府にある」
・蓮舫代表…「われわれも、国際貢献や国際協力の中で、『駆け付け警護』の必要性は否定していない。ただ、今の南スーダンの状況の流動性を考えた時に、慎重に行うべき判断が、本当になされているのか懸念している」
・山井国会対策委員長…「南スーダンでは大規模な衝突も起こり、非常に危険だ。極めて問題が多いだけでなく、戦後、守り続けてきた日本の平和主義が崩れ去る危険性もある。『駆け付け警護』の任務を新たに付与することで、殺し殺される戦闘行為に参加せざるを得なくなるかもしれず、強く反対する」
・小池書記局長…「海外での武力行使を禁止した平和憲法をじゅうりんし、自衛隊が『殺し殺される』最初のケースになりかねない今回の決定を断固糾弾し、撤回を強く要求する。南スーダンから自衛隊は撤退し、憲法の精神に立った紛争解決のための外交努力、非軍事の人道支援、民生支援の抜本的強化を行うことこそ求められている」
・福島みずほ副党首…「南スーダンから自衛隊は撤退をすべきだ。新たな任務付与やめてほしい」
・又市幹事長…「政府は『戦闘ではなく、衝突だ』とごまかしながら、新任務の付与に躍起になって、今後に大きな禍根を残す、極めて無責任なものと言わざるをえない。自衛隊の海外での武力行使、海外派兵に本格的に踏み込む端緒であり、新任務の付与は断じて認められない」
・小沢代表…「『駆け付け警護』という、へんちくりんな言葉はよくわからず、意味不明なことに賛否を言う考えはない。言葉遊びをしながら、ひとつずつ自衛隊の『兵力』の活用を拡大していくというやり方はよろしくない。PKOの本来のあり方、理念をもっと深く考えてもらいたい」
・11/19 陸自青森駐屯地で新任務を担う陸上自衛隊第九師団を基幹とする部隊の壮行行事
11/20に約350人の派遣隊員のうち、先発隊約130人が出発
・稲田朋美防衛相が派遣隊員に訓示…「自衛隊の国際平和協力の歴史の中で、新たな一歩となる。自衛隊による国際貢献をより一層有意義なものにしてほしい」、新任務について「万一の場合への備えとして、必要な任務と権限を与えておく。現地の邦人にとっても、部隊にとっても、リスクを低減することにつながると考える」
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2007年4月1日制定
2007年10月1日改訂
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2007年4月1日制定
2007年10月1日改訂