【 声 明 】


アフガニスタン政権の崩壊はグローバル資本の戦争政策の敗北
タリバンの暴力支配を許さない!全ての自衛隊を即時撤退させよう!

イラク平和テレビ局 in Japan 2021年9月1日


 アフガニスタンではタリバンが8月15日に首都カブールを陥落させて全土を制圧し、前政権は崩壊した。タリバンは新政府樹立へと進んでいる。タリバンはすでに抗議デモに発砲し市民を殺害している。女性の人権はく奪を公言している。


 このアフガニスタンにおける事態は、アフガニスタン戦争・占領を引き起こしたグローバル資本の「対テロ」戦争政策が敗北したことを意味している。


 タリバンは元々パキスタンに育てられアメリカとも結びついていたイスラム主義勢力の武装集団であり、1996年からアフガニスタン全土を支配し、女性や子ども、市民の人権を弾圧して君臨していた。2001年、米国本土での9・11テロ攻撃事件を口実に米国をはじめとした「有志連合軍」がアフガニスタンを攻撃してタリバン政権を倒し、占領政策を進めた。しかし、米国が育成した傀儡政権は腐敗にまみれ市民の生活も人権も抑え込み続けた。


 今回のタリバン支配の復活、女性、市民の人権抑圧と暴力支配の復活という事態を招いた最大の責任は、米国とその戦争・占領政策を支えたNATO諸国や日本にある。


 米国と「有志連合軍」はアフガニスタン戦争とその後の20年間の占領期間に無差別の空爆と市民殺害を続けた。2001年から15年までの民間人死傷者は2.6万人以上(米国・ブラウン大)、2009年から19年までの民間人死傷者は10万人以上(国連)と推計されている。


 日本の小泉政権(当時)は「後方支援」の名目でペルシャ湾に自衛隊の艦隊を送り込み、米軍などによる空爆のための燃料供給を続けることで実質的に参戦した。2002年には東京で「アフガニスタン復興会議」を開き、「復興資金」として最大の日本の5億ドルを筆頭に欧米、IMF、世界銀行などから30億ドルの提供を表明し、腐敗政権を支えた。グローバル資本はアフガニスタンの占領を続けることで中東の石油資源をはじめとした地下資源などへの支配権の強化と250兆円にも上った軍事費による軍産複合体の利益確保を狙ったのだ。


 すでにアフガニスタンの女性・市民はタリバンの支配に反対して「タリバン打倒!」の壁書きを行ったりデモを展開して闘いを開始している。アフガニスタンの市民、女性、労働者、社会変革をめざす人々と連帯し、タリバンの人権抑圧と暴力支配を許さない国際的な監視を強め、真のアフガニスタン再建、民主化を勝ち取っていかなければならない。


 日本政府は「邦人救出を名目に自衛隊機に陸上自衛隊中央即応連隊100人を含む約260人の武装部隊を載せ、沖縄を経由してアフガニスタンに派兵し、武力行使の可能性を公言した。8月31日に米軍がアフガニスタンからの撤退完了を発表した後も、自衛隊はなお隣国のパキスタンで待機している(9月1日段階)。アフリカ大陸のジブチの自衛隊基地なども含め、全ての自衛隊海外派兵部隊を即時撤退させなければならない。


 菅政権は中東イラクの腐敗政権にも新たな援助資金の提供を表明している。アフガニスタン戦争やイラク戦争に日本列島、沖縄から米軍、自衛隊は出撃した。辺野古新基地建設反対・ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)の闘いと一体となってアフガニスタン民衆と連帯し、日本政府の戦争策動を止めよう。