2016年11月8日

南スーダンへの自衛隊派兵、武力行使に反対!

1.南スーダン内戦情勢

(1)10/12 NGO非戦ネット集会 現地報告

・日本国際ボランティアセンター(JVC)のスーダン事業現地代表の今井高樹氏、ジャーナリストで平和新聞編集長の布施祐仁氏

・今井氏「ごく限られた首都中心部は安定しているが、郊外の多くはまったく違う」「昨年8月に締結された和平協定は、すでに崩壊したとみるのが妥当」、「南スーダン政府と政府軍はPKOに敵対的な態度をとっている」、「自衛隊に新たな任務を付与すれば政府軍兵士と対峙(たいじ)することになりかねない」「PKOからの撤退を検討すべきだ」


(2)10/12国連南スーダン派遣団(UNMISS)声明…南スーダンの暴力増加「非常に懸念」

・ここ数週間で国内の暴力行為や武力衝突が増加していることについて、「非常に懸念している」

・北部で重火器を使った戦闘が起き、首都ジュバに近い中央エクアトリア州の道路で民間人を乗せたトラックが襲われ、女性や子どもを含む市民20人以上が殺害された

・現場への国連の立ち入りが拒否されたことを明かし、「非武装の市民への攻撃を明確に非難する」


(3)10/14~15武力衝突で60人死亡

・北部の都市マラカル近郊で、政府軍と反政府勢力の間で激しい武力衝突

・反政府勢力の兵士少なくとも56人と、政府軍の兵士4人が死亡

・政府軍報道官「反政府勢力側が先に攻撃を仕掛けてきた」と非難


(4)新たな武装勢力の結成

・10/31「南スーダン民主戦線」…新たにキール政権の打倒を宣言。南部エクアトリア地方の住民らで結成。マシャール派をはじめとした他の武装勢力と共闘していくとする声明

・「コブラ派」の元司令官…配下の兵士らを引き連れて政府軍を離反…内戦下で主要反政府勢力の一つで指導者だったコブラ派を率いたヤウヤウは2014年に和平合意に署名。現在、キール政権の副国防相を務め、先月現地を視察した稲田朋美防衛相とも会談


(5)11/1国連報告書、南スーダン、PKO対処「失敗」

・国内避難民が暮らす国連南スーダン派遣団(UNMISS)の関連施設も襲撃を受け、7月の3日間で保護施設にいた20人以上の避難民を含め、少なくとも73人が死亡

・「タレインホテル事件」で「派遣団が対応に失敗した」…政府軍兵士の略奪などにUNMISSの複数の部隊が出動要請を拒絶。市民に殺人や威嚇、性的暴力などの「甚大な人権侵害」

・世界食糧計画(WFP)も支援を得られず、2900万ドル(30億円)相当の食糧や備品の略奪


(6)11/2南スーダン情報相「国連部隊と政府軍、一時交戦」

・南スーダンのルエス情報相…7月に起きた政府軍と反政府勢力との大規模戦闘の際に、政府軍と国連南スーダン派遣団(UNMISS)の平和維持活動(PKO)部隊との間でも一時、交戦があったとの認識を示した

・一連の戦闘の中で「国連宿営地の門の近くで(政府軍の)装甲車両2両が国連部隊に破壊され、政府軍は国連部隊に応戦した」

  

(7)11/3 UNMISSコメント

・「7月の危機の間、攻撃的ではなく、防衛的な態勢をとった。規則に従い、軍人や施設、装備にいかなる攻撃的な措置もとっていない」


(8)11/2 ケニアがPKO部隊撤退へ

・国連が7月の戦闘時の責任を問いケニア人の司令官の解任を決定

・ケニア政府声明…「南スーダンのPKOが構造的な機能不全に陥っているにもかかわらず、特定の一個人に責任を押しつけようとしている」
→約1000人のケニア軍の部隊を引き揚げると発表


(9)11/4 UNHCR=国連難民高等弁務官事務所記者会見

・南スーダンの首都ジュバで7月に戦闘が再燃してから新たに25万人が難民として国外に逃れた

・10月初め以降は1日に平均で3500人が逃れている。85%は女性や子どもで、食料や水の不足などによって健康状態が悪化している人が少なくない

・南スーダン国内では、人口の3分の1にあたるおよそ400万人が食料を入手しにくい状況

・UNHCRは「世界で最も深刻な人道危機のひとつだ」と指摘



2.南スーダンへの自衛隊派兵にNO!

(1)10/11衆院予算委員会・武力衝突は「戦闘行為ではない」

・稲田防衛相「戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為」「こういった意味における戦闘行為ではない。衝突であると認識している」

・安倍首相「武器をつかって殺傷、あるいは物を破壊する行為はあった」「戦闘をどう定義づけるかということについては、国会などにおいても定義がない。我々は一般的な意味として衝突、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」


(2)10/18閣議後記者会見

・稲田朋美防衛相…南スーダン北東部で戦闘が起き、少なくとも60人が死亡について「自衛隊が活動しているジュバ市内は落ち着いている。PKO(参加)5原則は維持された状況だと思う」

・菅義偉官房長官「自衛隊が展開している首都ジュバは、比較的落ち着いている」


(3)10/23稲田防衛相「駆けつけ警護」視察予定

・10/21 稲田防衛相
…「駆け付け警護」の訓練を23日に視察する意向
…「現地情勢、訓練の進捗(しんちょく)状況を慎重に見極めながら、総合的に検討していく」
…来月に南スーダンに派遣予定の陸自第9師団(青森市)の部隊が岩手県の岩手山演習場で訓練



(4)10/25南スーダン自衛隊派兵延長を閣議決定

・南スーダンPKOへの陸上自衛隊の派遣期限を、10月末から5カ月間延長

・8回目の延長で初めて「派遣継続に関する基本的な考え方」という文書を発表
…「治安は極めて厳しい。ジュバの今後の情勢も楽観できない」が、「七月の衝突の後も部隊を撤退させた国はない」


(5)10/31~11/1柴山昌彦首相補佐官が南スーダン訪問

・キール大統領と会談するとともに、PKOの陸上自衛隊の活動現場や宿営地を視察


(6)11/2政府が11/15に駆けつけ警護付与の閣議決定方針

・政府…柴山昌彦首相補佐官の南スーダン訪問で、「地域によっては楽観できない状況ではあるものの、首都ジュバ市内は比較的落ち着いている様子を改めて確認した」と発表

・政府は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の派遣部隊に安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」などを付与する方針を固め15日に閣議決定する考え


(7)駆け付け警護手当6000~7000円

・「駆け付け警護」に支給する手当を創設…1回につき6000~7000円で調整

・南スーダンの隊員への「国際平和協力手当」1日1万6000円と合わせて2万2000~2万3000円を支給する見通し

・2011年東京電力福島第1原発にヘリで放水した隊員に1日4万2000円が最高額

・海外派遣では、イラク南部サマワでの宿営地外活動に支給した1日2万4000円が最も高い

・隊員が公務中に死亡した場合に遺族に支給する賞恤(しょうじゅつ)金(功労金)は現行のまま6000万円。イラク派遣では最高額を6000万円から9000万円に引き上げた

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