2016年9月6日

南スーダンでの自衛隊の武力行使を許すな!―南スーダン・ジブチから即時撤退させよう―

 日本政府が国連のPKO(平和維持活動)の名目で自衛隊を派兵している南スーダンでは停戦合意が破れ、軍事衝突が頻発している。


 7月8日にキール大統領と反政府勢力の指導者であるマシャール副大統領が首都ジュバの大統領府で会談中に戦闘が発生し、政府軍と反政府軍の交戦によって270人が死亡した。7月10日から11日、PKO施設に隣接する避難民キャンプ周辺でも戦闘が起き8人が死亡、警戒中の中国軍のPKO派遣部隊が攻撃を受け、2人が死亡、2人が重傷、3人が軽傷を負った。


 8月12日、国連安保理が国連南スーダン派遣団(UNMISS)=南スーダンのPKO(平和維持活動)の任期を、ことしの12月15日までおよそ4か月間延長し、4千人の「地域防護部隊」を追加派遣(主にエチオピアとケニア、ルワンダの兵力)するという決議を採択した。


 UNMISSは現在の1万3500人から最大1万7千人規模に増強される。そしてきわめて危険なのは、この決議がPKOがより積極的な武力行使に踏み切る権限を認めたことだ。首都ジュバと空港などを防護し、「攻撃準備中または攻撃実施中であると信じるに足る者を迅速かつ効果的に阻止する」任務を与え、「必要に応じて断固たる行動を取るなど、必要なあらゆる手段を行使」を要求しているのである。巨大な油田地帯を抱える南スーダンでの権益を守るために、グローバル資本はPKOの活動を名目にした軍事介入をするつもりなのだ。


 南スーダン政府の代表は「決議は、主要な紛争当事者の同意というPKO原則に反している」と反対し、アテニー大統領報道官は「我々の国を国連が乗っ取るようなことは許さない。彼らは我々の協力なしには来られない」と言明した。キール大統領もPKO増派に「深刻な懸念」を表明している。

 この決議には、安保理理事国15か国のうち11か国が賛成票を投じた。中国、ロシア、エジプト、ベネズエラの4か国が南スーダン政府の同意を得ていないことを理由に棄権したのに、非常任理事国の日本政府は賛成した。安部政権は南スーダンの内戦を昨年強行採決した「戦争法」を実行して武力行使する絶好の機会として利用しようとしているからだ。


 南スーダンで戦闘の犠牲者が何百人も出ている真っ最中の7月12日、中谷防衛相(当時)は「(派遣要件の)PKO参加5原則が崩れたとは考えていない」「両者間の全面的な対立ではない」「武力紛争ではない」と強弁して自衛隊の派兵継続を表明した。(自衛隊がPKOに参加できるとする「5原則」の1番目は「紛争当事者の間で停戦合意」である)


 そして同じ7月12日にC130輸送機3機を沖縄の那覇基地から発進させて「邦人救出」に向かわせた。7月13日に国際協力機構(JICA)関係者ら93人は民間機で隣国のケニアに退避したにもかかわらず、翌日の14日にアフリカの紅海沿岸にあるジブチの自衛隊基地に到着後すぐに発進した3機のC130はジュバに着陸、たった4人の日本人をジブチに「避難」させた。この軍事作戦は、ジブチの自衛隊基地を出撃拠点とする南スーダンへの軍事介入の「予行」である。


 この同じ日の7月14日に、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は「(自衛隊の)宿営地に流れ弾が飛んできた状況はあった」ことを認めた。自衛隊はまさに戦場の真っ只中に駐屯しているのだ。


 8月19日、政府関係者は「戦争法」に規定する「駆け付け警護」(武装集団に襲われた国連職員らを自衛隊が武器を使い救出)や「宿営地の共同防護」(自衛隊や他国の宿営地が攻撃を受けた際に他国部隊とともに守る)の新任務を南スーダンに11月から派遣する陸上自衛隊部隊に25日にも訓練を始める方針を表明した。


 日本をはじめグローバル資本の石油権益確保のために、安部政権は初めて実戦における自衛隊による武力行使を遂行しようとしている。今こそ南スーダンでの自衛隊の武力行使阻止、南スーダン・ジブチからの自衛隊即時撤退!の世論を広げよう。

(2016年8月22日記)

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