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バスラ県知事を交渉に呼び出した、イラク石油労働者の抗議行動

2013年2月13日に引き続き、2月19日には数倍の参加者で国営南部石油会社への抗議行動が行われ、装甲車の来る中、平和的なデモで圧力をかけ、県知事を呼び出すまでに至っています。抗議行動を呼びかけた石油労働者権利擁護委員会と「イラー・アマーム(前へ)」の報道から抜粋してお伝えします。(2月13日のデモの報告はここをクリック)LinkIconイラク最新ニュース20130223

①石油労働者権利擁護委員会の報告       

                                   2013年2月19日

2013年2月19日、南部石油会社の幹部の怠慢に反撃して、ルメイラ油田やアル・ブルジュス油田や西クルナ油田の外国企業、さらに南部石油会社のバブ・アル・ズベイル本社の労働者約1500人が、会社の前でデモを行った。

本社に行く道に警察がバリケードをした結果、数百人の労働者が集まり“経営者を退陣させて労働者の要求を実行しろ”とシュプレヒコールを上げた。緊張が高まるにつれて重武装した多数の兵士が現場に現れたので、デモの指導者達は“デモ隊が会社の幹部と会うまではどんな捜査もするな”と警察を説得した。

デモから5時間たって、バスラ州知事(サバハ・アルバズーニ)がイラク国会議員(スーザン・アルサード)をともなってあらわれたので労働者の要求を提出した。

アルバズーニ知事が「要求を検討する時間がほしい」と言ったので2月24日の日曜日までに返答することで合意し、労働者は“要求に応えなければ2013年2月26日の火曜日にデモを再開する”ことを決定した。

また、政府がいつもデモの指導者に対する処罰をしてくるので、“そんな行為をやめろ、耐えられない”と要求し州知事は同意した。その後、労働者は交渉に参加する6人の代表を選んだ。

②武器と装甲車で迫りくる大規模警察部隊にもかかわらず、石油労働者の抗議活動は続く

                 「イラー・アマーム(前へ)」(イラク労働者共産党機関紙)
                               バスラ 2013年2月19日

1)デモを呼びかけた石油労働者権利擁護委員会の活動家へのインタビュー

―この抗議活動はテロ対策法第4条に抵触しないのか?
“デモは平和的で権利を求めているだけで、テロ対策法第4条は怖くない、あれはただマーリキーが石油や他の重要部門の活動家に対して適用する指示を出しただけのことだ”

―抗議活動の要求の中味は?
“蓄積された利潤を配分することと、8年前に労働者に与えられた住宅区の建設を行うこと”“会社はこの区域の建設も、労働者への所有権移行も行わず、40年後に仕事を退職する際に労働者と家族を路頭に迷わせるつもりなのだ”

―労働者の要求が実行されない場合はどうするのか?
“抗議活動を継続し、外国企業の前でプラントを閉鎖して外国人技術者を入れさせない”

―最も重要な要求は?
“会社の腐敗によって蓄積された利潤を労働者に分配しなかった社長と役員を辞職に追い込むこと、労働者を追放したり石油部門外への転勤で脅迫することをやめさせることだ”“この脅迫は2月13日の一回目のデモの後、活動家に向けられ、会社はバアス党の古いやり方と同じように、デモを起こした人間をバイジーに送るつもりだという噂が流れた”

―労働者の要求が実行されなかったら?
“デモをバスラ県議会庁舎前に移すつもりだ”

2)社長のデモ打倒の企て

会社は労働者の代表5人に交渉を求めたが、労働者権利擁護委員会はこれを拒否し、人数を30人と定めた。
社長は警察部隊を動かしてデモ隊を挑発し、発砲事件が起こったかのように見せかけ、デモ隊を攻撃する口実を作ろうとしたが、デモ隊は挑発に流されることなく、社長の仕掛けた罠にはまることはなかった。デモ主導者らはデモ隊と警察部隊を分け隔て、その隊列を保ったのである。一方で、治安部隊の一人がデモの中に市民を装って入り込み、見せかけの事故を起こしてデモ隊の隊列に混乱を広げようとしたが、デモ隊はこれを発見し袋叩きにして追い出した。

3)抗議活動の圧力のもと、バスラ県議会長来訪

 会社入口での装甲車の往来は封じられた。労働者たちは、警察部隊に本部内と外に分割された後、会社本部に突入していった。会社の内外を労働者が行きかう度に、「弱虫、弱虫、表へ出て来い」というスローガンが繰り返されたが、これは社長に「デヤー・ホッカーム・ムーサウィー」という、ヌーリー・マーリキー首相率いる与党ダアワ党のメンバーに語りかけたものである。また「俺たちの利潤はどこだ…さもないと明日停止するぞ」というスローガンも繰り返された。これは“翌日にはプラントを閉鎖して生産をストップさせる”という意味である。

抗議活動によってバスラ県議会長が来ざるを得なくなり、デモ隊は交渉を実現した。木曜には労働者権利擁護委員会との会議が開かれ、県議会長は要求の実現のために日曜までの猶予をくれるよう求めた。労働者はこれに応じ、労働者権利擁護委員会のスポークスマンが「要求が実行されない場合にはデモの継続と座り込みに出る」と語った。

デモ参加者は、交渉に次の2項を付け加えることにした
「抗議活動参加者にはいかなる懲罰も加えないこと」、
「抗議活動に参加するために仕事場を離れた労働者に有休を与えること」。

この日デモに参加した労働者の人数は2月13日のデモより数倍大きく、メディアの取材も非常に大掛かりだった。抗議活動に参加した労働者の一人は、これはイラクの政治事件の中で最も重要な事件であると語った。

●石油労働者の要求

1)3650億イラク・ディナール[約280億円]にも匹敵する2010年以来の蓄積した利潤を支払うこと。我々ははびこっている腐敗のためにこの利益が悪用されることを憂慮している。
2)8年前に労働者に分配された土地区画に投資会社の全額負担によって家を建設すること。
3)組合活動を制限するあらゆる決定を即時廃棄し、公正な労働法制を制定すること。
4)戦場となり放射性ウラニウムによって汚染されている油田、特に南部ルメイラ油田と北部ルメイラ油田の労働者に専門病院での治療を提供すること。治療費用は全額外国企業が支払うこと。これらの病院で定期検診を実施すること。
5)石油労働者の専門病院を民間投資にかけると発表するのを禁止することと、開設当初の目的どおりに病院業務を石油労働者とその家族に限ること。
6)全石油労働者へのボーナスの上限を100万ディナールから400万ディナールに引き上げること。
7)最近6年間の職種賃金表の昇進を進めること。
8)石油省が承認した新しいボーナスの詳細を明らかにし、均等であることを表明すること。
9)残業手当と休日出勤手当や危険手当の支給を再開すること。
10)訓練開発部を活性化し、油田で行われている講習会を認めること。









英国石油(BP)・イラク南部石油会社への抗議メッセージにご協力お願いします。

労働者の生活と権利を奪う外国企業と、イラクの国営南部石油会社に抗議のメッセージをお願いします。
石油会社は軍隊を送って抗議行動を押さえつけ、活動家を逮捕しようとしています。
国際的な抗議の声で労働者の当たり前の要求を実現させましょう!

抗議メッセージはこちらのフォームから。LinkIcon抗議メッセージ

※英語で書ける方は英語でお願いします。

英文例)
This is an order! Don't oppress laborers who work at oil industry.
You know what, You are doing is called plunder!
Don't take away from Iraq's oil.

・イラク石油労働者に対する弾圧をやめろ!
・イラクの石油略奪をやめろ!